和心 山路|なぜ「かも鍋」なのか?テイクアウトもできる、歴史とこだわりから生まれた看板メニュー

Info

和心 山路(わしん さんろ)
大分県玖珠郡玖珠町塚脇331-1-1(google map)
TEL 0973-72-0036
WEBSITE

なぜ、かも鍋?

玖珠町の協心橋の近く。
かも鍋、いのしし鍋、山路鍋のあかりが灯る食事処「和心 山路」さん。

なんで「かも鍋」
玖珠といえば鴨?…なのか?だったのか?どうなのか?

「いのしし鍋」や「山路鍋(おそらく店オリジナル)」はなんとなくこの地にあってもイメージはつきますが、どうしても「かも鍋」だけが気になる。

なぜ?と思い続けていた「かも鍋」には“看板メニュー”となるストーリーがありました。

「山路」の歴史

元々は豊後森駅通りにあった「山路」さんは、懐石料理や披露宴の席なども。

お父さん(2代目)
「いつからやってるかねぇ…」

お父さんの先代から始まった「山路」さん。いまのお父さんの代に替わった際、懐石料理はやりたくなかったそう。

というか、できなかったそう…。

できなかった?理由はさておいて、それでも食事処か居酒屋か飲食店としての「山路」さんは続きます。

お父さん
「私の代になってから懐石はできないし、どうしようか色々考えてね。はじめは“山路鍋”で、海鮮鍋ね。とにかく盛りだくさんで量も多めで。これがお客さんに喜ばれて当たった!笑」

2代目山路は“山路鍋”でスタート。当たってよかった!笑

お父さん
「だけどそれだけじゃなかなか…ねぇ…。で、ある業者さんから『鴨肉はどうか?』って勧められたんだけど…」

英和さん(3代目)
「当時はまだ“鴨肉”ってこっちじゃ馴染み無かったからどうかな?って感じだったけど…」

これは20年ぐらい前?のはなし(うろ覚え…)

お父さん
「これもよかった!この第2弾(鍋物)も当たった!笑」

ここで誕生!当たってよかった!やったー!笑

まぁ、ポンポンと順調に世代交代できている感じにも見えますが、そんな簡単にいかない飲食業界。魚介とわりかし縁遠いこの地で“山路鍋(海鮮鍋)”は地元の方にもウケは良さそう。

じゃあ次は“鴨肉”行くか!ってそんな簡単なお話ではありません。

お父さん
「その頃、まわりでも“かも鍋”出す店もたくさん出てきたけど、いまはうちだけじゃないかな。どこもやめちゃったみたい。」

新しいものは興味を惹くし、ウケも良い。でも、永くは続かないのが常。でも山路の“かも鍋”は今でも看板メニュー。

お分かりだろうか。

…。

…わからない。なぜ?

さぁ食べてみよう

たぶんおそらく間違いなく食べたことはある山路の“かも鍋”
毎度お馴染み、何度か山路さんにてお呼ばれしたことはありますが…大変失礼ながら何を食べていたのか記憶が曖昧…汗

酒と話で盛り上がりすぎていたこと、そして飲みすぎていつもフワフワして店を跡にしている記憶はございます。

ちゃんと“かも鍋”食べたい!(人生でかも鍋を食べたことがあるかもしれないけどないかもしれない!…それすら曖昧!)

ということで家族とともにお店にお邪魔いたしました。

用意された“かも鍋”の材料。2人前にしては多くないかな…汗

かみ
「えーっと、どうやって食べたらいいですかね?作り方とか…?」

お店の方
「作り方はご自由にどうぞ!」

ご自由に…?これは困った…。

おそらくのイメージですが、作り方とかルールとかそんな類のこだわりなどがありそうなもの。

だいたい自宅で鍋をするときは、適当に具材を入れて仕上げる係。父ちゃん頑張るしかない…ここはヘタにできない。

でも“かも鍋”ってどんなものよ。どうすんのよ。汗

「つくろうか?」

かみ「つくったことあるの?」

「うん、ほら昔バイトしてたとき」

かみ「あ!あそこでバイトしてたとき?」

「そうそう」

妻は学生の時、地元の料理屋でバイト経験あり。なんとなくお店の雰囲気は知っていたものの、行ったことはないし、どんな料理を出していたのかまでは知りませんでした。

「こうやってお客さんにつくって出してたんですよー

かみ(あ、もう任せます…なんか今までにわか鍋奉行っぽくてスミマセンでした…恥)

かみ「おー、できた!」

「あ!アク取り忘れた!先にゴボウとか云々…せっかくの“かも鍋”なのに〜…」

(いや、もう十分です!やっていただいただけで十分です!)

かみ「ご自由に。って言ってたし大丈夫でしょ!」

味について、それはもうウマイですよね。“ご自由に”つくってもウマイって、すごいよ。

でも、その美味しさには「山路」さんならではのこだわりがあってこそ。

このエリアでは唯一無二かもしれない

お父さん
「ダシが黒々してるでしょ。『こんなダシで』って言われたこともあるけど、食べたらね、わかるよね。」

鍋といえばダシは重要。このダシの鍋を最後まで美味しく食べることができるのは、山路さんならではのこだわりがあります。

鍋物で野菜は必須ですが、その水分によってダシの味は変わっていきますよね。変わるというか薄まる?

そのため「山路」さんでは白菜にかける手間もかかってる!一度湯掻いて水分絞って…。

こうすることにより食感とダシの美味しさが活かされています。その他の食材選びもこだわりがあり、すべては何より美味しく食べてもらうため。

量もそうですが、お客さんに喜んでもらうための“手”がよく込まれています。

“ご自由に”想定で仕込んでいるのか、それが永く人気の秘密かもしれませんね。

よっぽどのヘマをしない限りは確実に美味しく食べることができる看板メニューです!

肩肘張らず、ゆっくり美味しい鍋が食べられる幸せですね。

テイクアウトで“かも鍋”、大晦日の年越し“かも鍋”もおすすめ!

前述した通り、“ご自由に”つくっても美味しく食べられる「山路」さんの『かも鍋』

お店だけではなく、自宅でもどうやってつくっても美味しく食べられる幸せ。

テイクアウトでの販売も行なっております。

事前にご予約が必要となりますので、ご注意のうえお店にお問い合わせください!

年末の年越し“かも鍋”も知る人ぞ知る定番らしいですよ!

あ、今回は“かも鍋”メインでしたがその他のメニューもなんでもおいしいです!

お腹いっぱいだったはずの娘たちが「これは!」とウマさにはしゃいだ“するめ天ぷら”もナイスです。

定番ですが…、鍋が美味しい季節です。暑い季節でも冷たいビールと“かも鍋”もいいですね。ぜひ!

いつもお邪魔した際、帰り際にお父さん(2代目)がお見送りしてくれる機会が多いです。たまたまなのか、常なのか。

追記

後日談ですが、上記にある“お父さん(2代目)のお見送り”の件、正解は可能な限り『常』とのこと。手が離せない時以外は知り合いでもそうでなくても必ず。お腹いっぱい食べて欲しくて鍋や刺身や色々盛りすぎちゃうこともあるけど、とにかくお客さんに感謝して、喜んで欲しい一心とのことです。

こちらこそ、愛すべき「和心 山路」です。