grow|日々使い、愛し続けたくなる木のものづくり

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大分県玖珠郡九重町大字田野1442
TEL 0973-73-3567
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2年越しのはじめまして

2年前、「KIRIKABU JEANS」さんを通じて電話だったかショートメールだったか…とある件でご連絡をいただきました。

文生さんのことや「grow」さんのことについては以前から人伝で知っておりましたが、その時は用件の連絡のやりとりのみで直接お会いすることはありませんでした。

それ以来、なんとなく九重のどこかにいらっしゃると思ってはいたものの機会がないとお会いできないもの。ましてや作家さんとしてのイメージが強かったので簡単にはお会いできないだろう。

前号でご紹介いたしました「やまのうえのびわきゅう屋」さんを訪れた際、近くに見覚えのある「grow」のロゴが描かれた小さな看板が。

ここかと思い、場所だけ確認してみようとついでに周ってみました。

ひとけのない細い道を抜け、ホントにここかな?と思いつつ、それらしき場所を発見。路肩に車を停めて降りてウロウロ(不審者まがい)笑

作業されているそれらしき男性がいたので突然声をかけてみましたらご本人。

かみ「あのー、2年ぐらい前〜…」

文生さん「あー!あの時の!どうぞどうぞ!」

と気さくに迎えていただき今回のご紹介に至りました。

生活の中の木のものづくり

日を改めて訪問させていただきお話を伺いました。

若くから色々なメディアで取り上げられていたようですのでご存知の方も多いかもしれませんがあらためまして。

この地で生まれ育ち、もともとバイクにも乗る。

…といえば、レザー製品。財布とか、まだまだ高校生の身分では高くて買えない。ならばと自身で制作し始めたのがものづくりのきっかけ。

(あれ?どっかで同じようなこと聞いたことある…)

高校2年生ぐらいの頃、玖珠に「Guilty Leather Factory」がオープン。その少し前に飯田高原にレザークラフト工房がオープン。こんなに近くに2件もあれば…と趣味程度で考えていたそう。でも「手づくり」は好き。

その後、県外で就職したものの19歳で帰郷。

特に先の予定はなかったものの、元々ものづくりについては以前から興味があったので、知人の縁を通じて同郷のクラフトデザイナーである時松辰夫に師事。

湯布院の工房・店舗を拠点とする師匠につき、弟子として木工を学ぶ。ただ技術を習得するだけでなく、料理を通じた「もの」の使い勝手、地域の活動・行事に携わることにより地域を知ること、様々な経験を経て2006年から独立。

当時21歳。勘違いから始まった独立のようでした。

湯布院の土地柄、高くても良いものは売れ、店舗では行列ができるほどの人気店。そんな時代をみて、自分たちが作ったものがこんなに売れちゃうなら独立したほうがいいんじゃない⁉︎な感じで地元に拠点を移し独立。

湯布院と飯田高原。買う目的のお客さんとそうでないお客さん。そもそもお客さんが違う。知名度も違う。

苦労のスタートかと思いきや師匠からのお仕事、そして「九重“夢”大吊橋」の開業が転期に。当時は渋滞&駐車場難民が溢れるほどの来訪があり、ご自身の工房兼店舗前もたくさんの往来が。そうするうちにご自身の製品が注目される機会も増え、県内外各地に広まるようになってきたようです。

カトラリーを中心に、暮らしの中の木のものづくり、眺めても美しいものづくりをされています。

これだけですとラッキーな感じもありますが、やはり師匠の元で真摯に学び、常にものづくりについて考えられているからこそ今現在でも愛される製品を生み出しているのだと思います。質の高さがその証拠だと思います。

使っていただき、使い勝手の良さを感じていただいた方が、リピートやギフト用途などに選んでいただける。その流れを作り上げることが始めは大変でしたが、今では制作が追いつかないほどのオーダーもあるようです。

文生さんの作品を使って

ちょうど私ごとで別件の撮影があり、そのための器を探しておりました。せっかくなら地元に関わりのある器を使いたい。

正直なところ、それっぽいものであれば何でも良いのですが、写真をきっかけとした行く末にも“何を”使ったかということが影響する場合があります。良いものは良いものを揃えて整えることで一目ではわからない価値をつけることができます。

それなりのものであればそれなりの仕上がりになってしまうものなのでなるべく避けたいところですが、今回お会いできましたことをきっかけに「あんこ菓子いわした」さんと「grow」さんのおかげさまで良い経験をさせていただきました。

文生さんに聞いてみたいこと

この落ち着きと空気感は納得の雰囲気。(私より年下でびっくりしました!笑)

そもそも作家なのか、アーティストなのか、職人なのか。

文生さん:「その方の捉え方でOKです、こだわりはありません笑」

あと、もうひとつ。

ここ数年、木製品の雰囲気よいカトラリーがニ○リやダイ○ーなどで簡単に手に入るようになっています。そういった製品、文生さんはどう思います?

文生さん:「すごいと思いますよ!偉そうにとかそんなんじゃなくて、アレだけ安くて質もある製品を海外でたくさん作れるようになったということは技術がどんどん上がってきてるってことですし。自分にとっても良い影響です」

正直なところ、「grow」さんの製品はそれなりのお値段がします。人によって高い安いはあると思いますが、“ちょうど良い”と価値を感じていただけましたらぜひ!ギフトにもおすすめです。

なかなか近くでお見かけする機会が少ないかもしれませんが、お見かけの際はぜひお手に取ってみてください。店舗へもお気軽に。

今回のご紹介、まわりまわっていろんな方が繋がった内容となりました。